広島市安佐北区でリサイクルショップを営む伊達憲司さん(60)が全国で2人目となる「遺品整理士」の資格を取得した。孤立死の増加で、亡くなった人の遺品を整理する「遺品整理業」の需要が年々高まっており、「死者の思いをつなぐ方法はないか」と考えながら日々、数々の遺品と向き合っている。
伊達さんは平成10年にリサイクルショップ「やりくりじょうず」を開業。16年からは出張買い取りを始め、遺品整理の依頼が入り始めた。今年9月に「遺品整理士認定協会」(北海道千歳市)が設立されたことから、同協会の通信講座を受講し、試験に合格した。
遺品整理には「気持ち」が大切と語る伊達さん。通信講座で学ぶ中で、「採算で考えると見えないことも『気持ち』で考えると見えることがいっぱいあった」という。
先日、90代の女性の遺品整理を引き受けた。女性の部屋には世界中で収集した貝殻がたくさんあった。「ゴミとして捨てることもできるが、その人の生きた証しなので貝殻が好きな人に渡し、死者の思いを伝えることも大切」と、インターネットオークションに出品した。
「人にはそれぞれ物語がある。遺品整理を単に作業と捉えるか、そうでないかでずいぶん違う。死者や依頼主の気持ちをくんで仕事をすることが大事。若い社員にも伝えていきたい」と話した。
遺品整理をめぐり、高額な費用請求や不法投棄などモラルに反する業者が増えたため、健全化を目指し今年9月、遺品整理士認定協会が設立された。協会の養成講座(通信講座)を受講し、試験に合格すると遺品整理士の資格を取得できる。受講期間は約2カ月、受講料は2万5千円。現在、約200人が受講している。問い合わせは同協会((電)0123・42・0528)。
(この記事は社会(産経新聞)から引用させて頂きました)
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